大谷資料館(地下採掘場跡)とは

大谷資料館は、栃木県宇都宮市にある大谷石の採掘の歴史を伝える資料館です。展示場には江戸中期から昭和34年頃までの手堀り時代の道具や採掘方法、運搬の移り変わりなどの資料が展示されています。
この資料館の最大の見どころは、地下に広がる巨大な採掘場跡です。1919年(大正8年)から1986年(昭和61年)までの約70年間にわたって大谷石を掘り出してできた地下空間は、まるで古代ローマの遺跡を思わせる壮観かつ幻想的な雰囲気を醸し出しています。
圧倒的なスケールの地下空間
地下採掘場跡は、広さ約2万平方メートル、深さ30メートルにもおよぶ巨大な空間です。最も深いところでは地下60メートルに達し、野球場が一つ入ってしまうほどの大きさを誇ります。
切り出された大谷石は約1000万本にものぼり、まさに地下の巨大な建造物といった趣です。手堀り時代のツルハシの跡が残る石肌に触れながら歩いていると、時のたつのを忘れてしまいそうになります。
天然の冷蔵庫
坑内の年間平均気温は8℃前後で、夏でも10〜13℃、冬は1.5〜4.5℃程度に保たれています。外気温との差が20℃以上になることもあり、「天然の冷蔵庫」とも呼ばれています。
そのため、夏季にはカーディガンやパーカーなどの上着、冬季には防寒着の持参が推奨されています。涼しい環境の中でゆっくりと見学を楽しむことができます。
多目的に活用される地下空間

イベント会場として
この巨大な地下空間は、コンサートや美術展、演劇、ショー、能楽などの会場としても利用されています。地下空間特有の音響効果により、音楽イベントでは特別な音響体験を楽しむことができます。
毎年10〜11月頃には「フェスタin大谷」というイベントが開催され、坑内で大規模なプロジェクションマッピングが行われます。ライトアップされた幻想的な空間は、訪れる人々を魅了しています。
ロケ地として
大谷資料館はその独特な空間美から、映画やドラマ、ミュージックビデオの撮影地としても人気があります。館内には、これまでに行われた様々な撮影の記録が展示されており、実際に使用された場所を訪れることができます。
結婚式場として
天井と壁の隙間から光が射し込む神秘的な「教会ゾーン」では、実際に挙式を行うカップルもいます。非日常的な空間での特別なセレモニーを演出できます。
併設施設
カフェレストラン「ROCKSIDE MARKET」
敷地内には、おしゃれなカフェレストランがあります。ガレットなどの軽食やカフェメニューを楽しめるほか、数種類のフレーバーから選べるジェラートが人気です。
テラス席と店内席があり、木と石を基調にした空間でゆっくりと休憩することができます。見学後の一息にぴったりの施設です。
クラフトショップ
クラフトショップでは、栃木県内の伝統工芸品や民芸品のほか、大谷石を使ったインテリア雑貨なども販売しています。大谷石のコースターや多肉植物の鉢カバーなど、現代風のデザインにアレンジされたおしゃれな商品も揃っています。
また、資料館の受付でもクリアファイルやポストカード、大谷石で作ったアクセサリーなどが販売されており、お土産選びにも困りません。
見学のポイント
見学時間は、サクッと見るなら30分、ゆっくり見るなら1時間程度が目安です。平均的な見学時間は約40分です。地下採掘場跡は左側通行となっており、順路に従って進むようになっています。
アート作品の展示もあり、美術館のような雰囲気も楽しめます。期間限定のライトアップイベントなども開催されるため、訪れる時期によって異なる楽しみ方ができます。
施設情報
営業時間・料金
- 営業時間:4月〜11月 9:00〜17:00(最終入館16:30)、12月〜3月 9:30〜16:30(最終入館16:00)
- 定休日:4月〜11月 無休、12月〜3月 毎週火曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始(12月26日〜1月1日)
- 入館料:大人800円、子供(小・中学生)400円、未就学児無料
- 駐車場:270台(無料)
最新の営業情報はアクセス情報 - 大谷資料館でご確認ください。
アクセス
電車・バスでのアクセス:JR宇都宮駅または東武宇都宮駅から関東バスで約20〜30分、「資料館入口」下車、徒歩約5分。宇都宮駅前で「大谷観光一日乗車券」を購入すると、バス乗り放題と大谷資料館・大谷寺の入館料が含まれてお得です。
車でのアクセス:東北自動車道「宇都宮IC」から約12分、「鹿沼IC」から約20分です。
大谷資料館は、歴史的・文化的にも貴重な場所であり、視覚的にも楽しめる魅力的なスポットです。地下の神秘的な空間は、一度訪れると忘れられない体験になるでしょう。宇都宮を訪れた際には、ぜひ大谷資料館の壮大な地下世界を体感してみてください。